2012年2月5日

Journal of Kith (2)

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Journal of Kith
(1) (2) (3)

原著: Anonymous of /tg/
http://1d4chan.org/wiki/Journal_of_Kith

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(2)

粘板岩の月27日:
我々が出立する直前、昨日のドワーフが私を呼びよせて、
「BoatMurderedを探すのはやめておけ」と言ってきた。
彼はそこを「邪悪の巣窟」と呼び、「そこに行けば焼かれてしまう」と言った後、
”全て燃えた”とか何とか言いながら離れて行った。変な奴だった。

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珪長岩の月7日:
滑石のアミュレットを完成させた。滑石の棘がついていて、
ドワーフが人間と話している画が彫られている。

珪長岩の月19日:
片麻岩のアミュレットを完成させた。泥板岩と粘板岩の棘がついていて、
人間が人間を笑っている画が彫られている。

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珪長岩の月22日:
負傷者が出た。同行者の1人が河で水を汲んでいる最中に転倒し、
河の中の石に頭をぶつけて気絶した。彼を引き上げるのは一苦労だった。
彼と旅をしていた女性が河に飛び込んで彼を抱え、他の者はロープを
投げて2人を引っ張り上げた。

珪長岩の月25日:
同行者が肺炎にかかり、治療のため1、2週間立ち止まることになった。
我々は、なんと人間とドワーフが混在する開拓地に滞留している。
こんなことがありえるとは思わなかったが、ともあれ、
我々は各々が好きな場所に泊まれる事になったーー私は地下の、
岩貼りの心地よい部屋を選んだが、同行者達は木の部屋が良いと言っていた。
人間とは変わった生き物だ。

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赤鉄鉱の月28日:
我々の同行者の治療により、結果的に1ヶ月以上もここ
(ドワーフ語でKosothlular、人間語でSentil)に留まることになった!
ともあれ幸運にも彼は回復し、我々は旅を再開した。

またしても、開拓地の住人からはKoganusanの情報を得ることは出来ず、
行ってはならないという暗号めいた警告を受けるだけだった。
しかし、同行者の人間たちが泊まっていた宿の給仕からヒントを得ることが出来た。
彼女の父親が、閉鎖される前のKoganusanを訪れたことがあるというのだ。
教えられた場所を同行者の地図と比較して、あと1ヶ月ほどの距離だと分かった!

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孔雀石の月14日:
苦灰石のアミュレットを完成させた。片麻岩と石灰岩の棘がついていて、
象がドワーフを笑っている画が彫られている。

孔雀石の月25日:
地図によればKoganusanが近い、と同行者から報告された。
地平線上に象を発見した。

孔雀石の月28日:
縞瑪瑙のアミュレットを完成させた。黒玉の棘がついていて、
象がドワーフを打ち倒している画が彫られている。

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方鉛鉱の月10日:
ついにKoganusanを発見した!
同行者によれば、強行軍で1週間、そうでなければ2週間の距離だという。
ここからでも何か……見えるような気がする。

方鉛鉱の月11日:
黒玉のアミュレットを完成させた。花崗岩と砂岩の棘がついていて、
ドワーフが象を馬鹿にしている画が彫られている。

方鉛鉱の月25日:
石英岩のアミュレットを完成させた。石英岩と木の棘がついていて、
3人のドワーフの画が彫られている。3人のうち、
1人は縮こまり、1人は火に焼かれ、1人は丸くなっている。

方鉛鉱の月28日:
Koganusanが近い。もう一週間もすればBoatmurderedの土地に到着し、
更に数日で入り口に行けるだろう。
これはドワーフ族にとって歴史的発見である。

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石灰岩の月4日:
成功だ!私の見通しは間違っていたーー我々は今日、Koganusanの入り口に到着した!
伝説の地を発見して興奮している私に対して同行者達は、
ここにキャンプを張り、坑道に入る前に2日ほど周囲を探索したいと言ってきた。
私もそれがいいと思い同意した。

石灰岩の月5日:
Boatmurderedの周囲の森は……奇妙だ。草木は小さく、形も歪んでいて、
地面は奇妙なことに火成岩と軽石で覆われている。
これは過去に相当な量の溶岩が流れたことを示している。
おかしなドワーフが言っていた”燃える”とはこの事なのだろうか?

石灰岩の月6日:
同行者達が動揺している。我々は今日、ゴブリンサイズの装備を数十と、
数頭の象のものと思われる骨を発見した。
そういえば少し前、河の向こうに獣の群れを目撃していた。
彼らが私を見つめているような気がした……。

石灰岩の月7日:
黒曜石のアミュレットを完成させた。玄武岩と花崗岩の棘がついていて、
象がドワーフを打ち倒し、ドワーフがうずくまっている画が彫られている。

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石灰岩の月8日:
冒険を続けるよう同行者を説得し、Koganusanの坑道に入ることにした。
入り口は大量の骨……のような何かで塞がれていた(何の骨か書くことは出来ない)。

坑道に入った直後、我々は壁に彫られた大量の彫刻を目にした。
彫刻師の名はSankis。奇妙なことに彼は他の彫刻において
”皇帝”と”髭無し”の称号を宣言していた……。

彫刻それ自体はどうやら、坑道のドワーフ達と沢山の象との、
壮大な戦いを描いているようだった。
ホールに施された彫刻では、ゴブリンたちのSiege、それも数度に渡るSiegeや、
マンドリル達との争い、そしてまた象との争いが描かれていた。

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石灰岩の月9日:
坑道を進み、更に彫刻を見つけた。恐ろしい画がいくつもあった。
あるものでは溶岩流が隊商を、象の群れを、ゴブリン達を飲み込んでいた。
叫びを上げる人間たちの画はまるで……精密だった。
他のもの(Green Bileの墓と名付けられていた)では、1人の人間が燃え上がり、
叫びを上げ、体を焼かれ、叫びを上げ……

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石灰岩の月10日:
Boatmurderedのドワーフ達は象に対して何らかの嗜好(あるいは嫌悪)を持っていたようだ…。
とにかく沢山の彫刻、立像、アミュレットやらなんやらに多種多様な象が描かれていた。
檻に入った象、ドワーフに殺される象、ドワーフを殺す象、様々なポーズの象、
沢山のドワーフを殺す象、沢山のゴブリンを殺す象、更に沢山のドワーフを殺す象。

同行者の1人はある戦場を描いた連作を見て嘔吐した。
闘犬が子供を産んで、子犬までも戦いに加わる。
ドワーフと象が斬り合い踏み潰しあって死んでいく。
最後に誰かが、荒っぽく刻まれたメッセージを見つけた。

”ようこそBoatmurderedへ。ここに入りしドワーフは一切の望みを棄てよ。”

(3)に続く
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※訳注
前回の訳注にあったBoatMurderedの原文を見ると、
http://lparchive.org/Dwarf-Fortress-Boatmurdered/Introduction/
実は1ページ目に既にSankisの名前が出ている。

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