2015年1月26日

Boatmurdered (12)

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Boatmurdered

http://lparchive.org/Dwarf-Fortress-Boatmurdered/

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Part 12: by StarkRavingMad

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Ral "StarkRavingMad" Swaeringenの日記 1054年 晩冬

昨晩、キンメルビルにある自分の宿で仕事をしていると、
髪を後ろに撫でつけた身なりの良い男がずかずか入ってきて、
お前は我々の前哨地の監督官として選ばれる栄誉を受けた、と告げてきた。
名誉だとさ。
俺がヒルズ・オブ・ソローで金を掘り当てたことを誰かが知って、
そいつが俺を追いだそうとしている、なんて訳はないよな。
しかし俺に何が出来る?指令書には王様カドル・ウンコ・ロゲムフィクーク様直々の署名がついていて、それはつまり、正当な権利によってこの"大いなる名誉"から逃れようとすれば、ロイヤルガードの隊長にハンマー刑に処されるって事を意味している訳だ。

いい状況でありますな?
まあ、痛みや傷が世界を終わらせる訳ではない。絶望や笞打ちも同じく。
だが死ねば世界は終わる。そしてそれまではたっぷり刑が待ってるわけだ。
ドワーフらしく立ち向かって、お返ししてやれ。俺の口癖だ。

地図を見ると、思った通り、前哨地は地の果てにあった。
スムースポイント・オブ・プライド、ボードマーダードと人の呼ぶ。
まったく良いことの有りそうな名前だ。

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今朝、旅の品を馬車に積んでいたら、
丁度目の前でアホ面下げた連中が馬車に荷を積んでいた。
しかもなんと、そいつらの馬は自分のと同じ方角を向いている。
これはと思いこっそり調べてみると、やはり全員ボートマーダードに向かうらしい。
ちょっとでもバカ共の先を行ってやろうと考えて、大急ぎで出発した。
これで多分、連中よりも先に向こうに着くだろう。

かくして今一息ついてみて、この旅の記録を書いておこうと思ったというわけだ。
何しろ俺を後ろからブッスリやって底なし穴か何かに放り込む計画がないとも限らない。
起こったこと、見たことを記録しておこう。そうすれば俺に何かがあったとしても、
どうして起こったのかの記録が残るし、首都の仲間が俺の小さな魂のために復讐してくれるかもしれない。

ボートマーダードに着くまでは特に書くこともないだろう。
何しろ凶暴な移民の群れに追いつかれないように急がないといけないから。
連中のロバの鳴き声が聞こえるような気がするんだ。

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初春 1055年

ボートマーダードに到着した。
まずは第一印象を3文字で表現させてもらおう。





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この場所の簡単な見取り図をつけておこう。
いわゆる再現画で、ちょっと荒くても許して欲しい。
だが目に入ってきた物に対する私の気持ちを率直に表してみるつもりだ。


まず手始めに、工房と交易品の全てが雨ざらしになっている。
これまでの監督官の中に浅層住みの空見屋が居たに違いない。
何しろ人をこんな所で働かせるのは非人道的な行いというものだ。
私自身、旅のあいだ、安全な洞窟ではなく広い空の下にいたことで気が狂いそうだったからよく分かる。
ある者は哀れにももう4年も野外で働かされているそうだ。
4年も雨の中、そして恐ろしい青空の下で!

ひどすぎる。全部屋内に移そう。

そして下の方にある大量の"E"が見えるだろうか?象だ。
前の監督官は何か偏執的な趣味があったらしく、どっちを向いても象だ。
立ち並ぶ檻の中の象、広間の中の象、食堂で座っている象、とにかく至るところ象だらけだ。
どうしたものか分からないが、屠殺して焼き肉を作ろう。

西側に道も橋も無いのにもお気づきだろう。
明らかに警戒の行き過ぎで、要塞全体を河で囲い、人間のキャラバンが通れる道を無くしている。
これも直すつもりだ。私は根が商人なのだ。
それが済むまで、キャラバンはここを素通りしていくだろう。

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他にもいくつか。



可哀想な連中の大半は、チェストはあってもキャビネットの無いこの狭い部屋に暮らしている。
現在の人口の事を考えるとここに手を入れようとは思わないが、これから来る連中にはもうすこしマシな物を用意してやるつもりだ。


超巨大通廊をご覧あれ。天井を支えているのはマッチ棒で、吹けば飛んで大崩落が起こるだろう。
どこの自殺志願がこんなもんを作ったのやら。
今は手をつけるつもりもないが、足跡をつけるつもりも無い。

やることが沢山だ。

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(Part13につづく)


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