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The Legend of the Ice Fisher
(1) (2)
原著: 不明
http://dfstories.com/the-legend-of-the-ice-fisher
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(1)
さあ若者達よ、そこに座り、お前たちの年老いた祖父がいかにして
この世界で最も偉大な漁師になったかの話を聞くが良い。
始まりは51年の冬だった。
お前たちは信じないかもしれないが、
それまで私達は”冬”が何を表すのか知らなかった。
元々私達は南方に住んでいて、そこでは寒さを感じることはなかった。
私は雪を見たことも無かったし、河が凍りつくことがあるなんて知らなかった。
その頃はまだ、氷の上を歩いてはいけないという決まりすら無かった。
それどころか私たちは、凍りついた河を見て大はしゃぎしていた!
氷の上でパーティをやったりもした。子供、犬、ロバ、そして老人までもが
そこらじゅうでツルツル滑っていた。
一方漁師の私は、仕事が無くなるんじゃないかと困惑していた。
ある朝私は、ちょっと離れた河の氷から蒸気が上がっているのを
要塞から見つけて、それが一体何なのか確かめに行くことにした。
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行ってみるとそこでは氷が巨大なダムになっていて、
なのにそこに溜まった水は凍っていなかった。
一体何故こんなことが起こりうるのか?それは分からない。
ともあれその場所を見つけたのは私が最初で、そこは漁師の楽園だった。
湖じゅう魚の群れで、しかも入れ食いだった。
もう私の餌に向かって勝手に打ち上がってくる勢いだった。
私は釣って、釣って、釣りまくった。
(訳注:原文ではIce damnだがIce damと解釈した。いわゆる氷河湖。
wikipediaの下記の項目を参照のこと。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ice_dam
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B7%E6%B2%B3%E6%B9%96 )
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巨大な氷が*びしり*という音を立てた時、
開拓団のリーダーであるOl'Bossyが遠くから、急いで逃げろと叫んできた。
だが手遅れだった。氷のダムが決壊し、私と要塞の間の河に大量の水が溢れた。
彼女は夏に使う漁港から要塞に水が流れこむのを恐れ、
水位が上がりすぎた場合に備えて港を封鎖する跳ね上げ橋を作っていた。
彼女はその橋の向こうから、戻ってくるための橋を最優先で作るから、と叫んた。
だがその直後、他のドワーフ達は彼女の眼の中に狂気の光が宿るのを見た。
彼女は私達を常に暖かくしてくれる”コート”と呼ばれる何かの完璧なアイデアを得て、
自分のために服の工房が必要だと叫びまくるようになった。
皆はそれを窯か何かだと考えたが、後になって1着の分厚いコートだと分かった。
お前達もコートが何なのかは知っているだろう。私達も今は知っている。
だが、その時は知らなかったのだ。
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皆知っての通り、工房を待ちきれなかったドワーフは刃物を持った気違いになりかねない。
誰だって編み針を刺し込まれたいとは思わないので、工房の建築は最優先事項となった。
一方私は冷たい雨の降る空の下、酒も無く立ち尽くすことになり、頭がおかしくなりそうだった。
とはいえ食べ物には困らなかった。魚は腐るほどあったのだ!
大量の魚が文字通りに腐り始めた頃、私はあるひらめきを得た。
酒は確か腐った植物から作るはず、ということはつまり?
その春、私は酒を求めるあまり、腐った魚を大量に食べた。
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腐敗がどれだけ進んでも、酒にはならなかった。
その代わり、頭をおかしくする何かに変化していた。それも悪い方に。
(2)につづく
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2012年2月8日
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