2017年2月27日

Outlaws of Norville

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Outlaws of Norville

From Threetoe's Stories (May 30, 2006)
http://www.bay12games.com/dwarves/story/tt_norville.html

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ノーヴィルの市壁の外にあるスラムでは、農民たちが抑圧に苦しんでいた。
領主への税、野盗への税、王への税の支払いのなかで、ウィルクソンは飢餓の縁にいた。
馬に乗った2人の野盗が近づいてきたとき、彼は大鎌を手に彼らに突進して切りつけた。
野盗の1人が足を切り飛ばされ、悲鳴をあげて馬から転落した。
もう1人の野盗が逃げると、彼は残った野盗を切り刻み、男の持っていた剣を取った。
農民たちの目が彼を見つめていた。

「お前のせいで私たちは皆殺しにされるぞ」ウィルクソンの父が言った。

「この始末はつけるさ」

ウィルクソンは盗賊の馬を鍛冶屋に連れていき、3本の剣と交換した。
彼はその剣を幼馴染たちに配り、森のなかを切り進んだ。
そしてその夜、野盗のキャンプへとたどり着いた。

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野盗達は焚き火の周りに集まっていた。
連中は世の中のゴミだ。
あの怠け者のカスどもが無力な農民より強いのは、ただ馬と剣を持っているからにすぎない。
ウィルクソンとその友人たちは野盗の馬の縄を解き、森のなかに逃した。
野盗たちが叫びをあげ、彼らに向かってきた。
ウィルクソンたちは突撃し、野盗を切りまくった。
彼らは野盗を5人殺したが、やがて囲まれてしまった。

野盗の首領が現れて言った。
おまえたちが仲間になるならば、命は助けてやる。
更に、あの農民たちへの税を免除してもやる。

それからの数週間、ウィルクソンたちはノーヴィルへの街道をゆく商人を待ち伏せて襲った。
ウィルクソンは奪った品の分け前を父に送った。

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農民たちはその状況をありがたく思っていたが、やがて領主が野盗と農民の繋がりに勘付き、
適当な農民が野盗として処刑されたときには、もうそんな感情はなくなっていた。
野盗に加わろうとしてキャンプにやってきた農民たちは次々と脱走していった。
ウィルクソンは仲間の農民のうち精強なものを集め、町へと戻った。
町の門から保安官とその部下が農民を捕まえにきたので、ウィルクソンたちは連中に襲いかかった。
戦いは激しく、保安官、ウィルクソン、そして2人の野盗が最後に残った。
そしてウィルクソンは保安官の耳と鼻を削ぎ、街へと送り返した。

領主は大規模な軍を動かし、野盗を潰すことにした。
10人組の小隊に分かれてスラムを捜索し、家々を燃やしていく。
野盗の首領は全てをウィルクソンに押し付けて逃げ出していた。
あちこちで野盗がガードに殴り掛かる。死んだ盗賊は怒れる5人の農民と交換された。

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ウィルクソンの父が拘束され、街に送られたという話がキャンプに届いた。
ウィルクソンは2人の部下を連れ、ガードの服を来て街に潜入した。
広場は市民の怒りの叫びにあふれていた。裏切り者を殺せ!
処刑台の上にウィルクソンの父がいた。
斧を手にした処刑人が傍らに立っている。
保安官が処刑台の前で罪状を読み上げる。その顔は血まみれの包帯で覆われていた。
彼は左手をあげ、命令を下す体勢をとった。

ウィルクソンはクロスボウを保安官の胸に打ち込んだ。
処刑人も他の盗賊によって撃ち倒された。
広場は混乱に陥り、ウィルクソンの父はそれに乗じて逃げ出していた。
ウィルクソンは父を見つけ、一緒に街から脱出した。
領主は街の門を閉じる命令を出した。王の軍隊が来るまで開かれることはないだろう。

ウィルクソンは王の軍隊が彼らをどうするかを恐れた。
ノーヴィルは既に彼と家族にとって安全な場所ではなくなっていた。
そこで彼は部下たちに別れを告げ、家族を連れてハッチランドに移り、
それまでに略奪した富をもってそこで引退した。


Outlaws of Norville 完

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分析(Analysis)

文明
・人が出ていくのを止めたり、防衛のために場所を閉鎖する(門、跳ね橋など)
・予定された出来事が妨害されると、参加者は混乱することがある
・強度の抑圧は抵抗運動への参加につながる
・他人の所有する動物を追い払うことができる、これは盗みに近い
・集団のメンバーは他集団との関係を意識している。集団どうしの関係の均衡がメンバーによって崩された場合、不安、不満、擾乱への参加などの反応をとりうる
・集団のリーダーが敵集団に近すぎる友人を見つけた場合、縁を切るなどの反応をとる
・リーダーは性格によって、難しい状況で部下におしつけて逃げることがある
・処刑は娯楽となりうるが、観客はその内容によってポジティブにもネガティブにも反応する
・法執行ないし処刑その他は法執行組織の内部グループ(パトロールチームなど)にも関わる
・集団的処刑:
 ・処刑対象どうしの戦闘、または処刑役との戦闘
 ・家を焼く、適当に選んでの処刑
 ・集団のリーダー/メンバーの家族を対象とした処刑
・ある種のリーダーをもつ集団では、自分の価値をメンバー殺しによって証明できることがある。これは既存の関係を変えることなどによって実現される、
・複数の関係を持つメンバーはその忠誠をうまく処理したり、資源配分を調整する必要がある。もっとも必要なものに多く渡すか、もっとも忠誠心のあるものに多く渡すか、など。

シナリオ
・シナリオは幼馴染のグループや、初めて一緒に冒険に出るチームのきっかけとなりうる。


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